URL正規化とは?SEOにおける必要性とやり方にくわえ注意点を解説
URL正規化とは、WEBサイトのURLを統一して整理することです。たとえば、”http://example.com” と “https://example.com” など、同じページが異なるURLで表示されることがあります。これが原因で、検索エンジンがどのURLを優先すべきか迷ってしまい、SEO(検索エンジン最適化)の効果が分散してしまうことがあります。
今回は、URL正規化がなぜ必要なのか、具体的な方法、そして正規化する際の注意点について、初心者の方にもわかりやすく解説します。
正規化を正しく行うことで、検索エンジンがWEBサイトをより効率的に理解し、検索結果での順位を上げる手助けとなります。特に、同じコンテンツが複数のURLで表示される問題を解決することで、サイト全体の評価が向上します。具体的な手順やツールの使い方も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- URL正規化とは?その必要性について
- URL正規化が必要な具体例
- URL正規化の注意点
URL正規化とは?
URL正規化とは、冒頭でもお伝えしたとおり、WEBサイト上のURLを一貫して標準化する方法のことです。WEBサイトは、同じコンテンツが異なるURLで表示されることがあるため、これを防ぐためにURLを統一します。例えば、”http://example.com” と “https://example.com” や “http://example.com” と “http://www.example.com” のように、異なるURLが同じ内容のページを指している場合があります。
こうした複数のURLが存在すると、検索エンジンはそれぞれを別々のページとして認識してしまう可能性があります。その結果、同じコンテンツが複数回インデックスされ、SEOの効果が分散してしまうことがあります。この問題を解決するために、URL正規化を行います。
URL正規化の主な目的は、検索エンジンに対してどのURLが正規のものであるかを示し、一貫性を持たせることです。また、URL正規化はユーザー体験(UX)の向上にも役立ちます。統一されたURL構造は、ユーザーがW
ebサイトを利用する際に混乱を避け、リンクの共有やブックマークの管理を簡単にします。さらに、WEBアナリティクスツールを使用する際にも、データが一貫して収集され、正確な分析が可能になります。
URL正規化の必要性について
お伝えしたように、URL正規化は、WEBサイトのSEOにおいて欠かせない重要な要素です。同じコンテンツが異なるURLで存在すると、検索エンジンがそれぞれを別々のページとして扱い、評価が分散してしまう可能性があります。
この項目では、URL正規化の具体的な必要性を5つの要素に分けて詳しく解説します。正しいURLを検索結果に表示させ、重複コンテンツを避け、クローラビリティを向上させるために、URL正規化がどのように役立つのかを見ていきましょう。
1.意図したURLを検索結果に表示させる
意図したURLを検索結果に表示させることは、WEBサイトのブランドイメージを守るために重要です。検索エンジンは、同じコンテンツが複数のURLでアクセスできる場合、どのURLを表示するかを自動的に決定します。しかし、これが意図したURLでない場合、ユーザーに混乱を招く可能性があります。URL正規化を行うことで、特定のURLが公式のものであると検索エンジンに指示でき、ブランドの一貫性を保つことができます。
2.重複コンテンツと認識され、評価が下がってしまうのを防ぐ
重複コンテンツは、同じ内容のページが複数のURLで存在することを指します。これが発生すると、検索エンジンはどのページを優先すべきか判断できず、評価が分散してしまいます。最悪の場合、ペナルティを受けるリスクもあります。
URL正規化を実施することで、検索エンジンは正規のURLを認識し、評価を一つのページに集中させることができます。これにより、SEOの効果を最大限に引き出すことができるでしょう。
3.クローラビリティが悪化するのを防ぐ
クローラビリティとは、検索エンジンのクローラーがWEBサイトを効率的に巡回し、インデックスする能力のことです。複数のURLが同じコンテンツを指していると、クローラーは無駄な時間を費やしてしまい、重要なページを見逃す可能性があります。URL正規化を行うことで、クローラーは効率的にサイトを巡回でき、全ての重要なページを正確にインデックスできます。これにより、サイト全体のSEOパフォーマンスが向上します。
4.被リンクを正しく受けられるようにする
被リンクとは、他のサイトから自分のサイトへのリンクのことです。これがSEOにおいて非常に重要な役割を果たします。しかし、複数のURLが同じコンテンツを指していると、被リンクも分散してしまいます。URL正規化を実施すれば、すべての被リンクを一つの正規のURLに集中させることができます。これにより、リンクジュース(被リンクからの評価)を最大限に活用し、検索エンジンの評価を高めることができるのです。
5.コンテンツシンジケーションする際の評価低下を防ぐ
コンテンツシンジケーションとは、同じコンテンツを複数のサイトで公開することです。これを行うと、重複コンテンツとして認識され、検索エンジンからの評価が下がる可能性があります。URL正規化を利用して、どのURLが正規のものであるかを示すことができれば、このリスクを回避できます。正規のURLを明確にすることで、検索エンジンは適切に評価を行い、シンジケーションしたコンテンツがSEOに悪影響を与えないようにしましょう。
URL正規化が必要な具体例をご紹介
前項目では、URL正規化の必要性をお伝えしましたが、具体的にどのようなケースにおいて、URLの正規化は必要なのでしょうか。
この項目では具体的な例を挙げながら、どのような場合にURL正規化が必要かを解説します。
同じコンテンツに、wwwあり・なしのURLが存在する場合
WEBサイトの同じページにアクセスするのに、”wwwあり”と”なし”の2つのURLが存在することがあります。例えば、”http://example.com” と “http://www.example.com” です。これらが同じコンテンツを指している場合、検索エンジンはどちらのURLを優先するべきか判断に迷い、SEOの効果が分散してしまうのです。URL正規化を行うことで、公式のURLを検索エンジンに示し、評価を集中させることができます。
大文字小文字の違いだけでURLが存在する場合
URLには大文字と小文字の違いがありますが、同じコンテンツに対して “http://example.com/Page” と “http://example.com/page” のように異なるURLが存在することがあります。これも重複コンテンツとして認識され、SEOに悪影響を与える可能性も。URL正規化により、検索エンジンに対してどのURLが正しいかを示すことで、評価の分散を防ぎ、ページのランキングを維持することができます。
パラメータ付きのURLが存在する場合
WEBサイトの作りによっては、同じコンテンツが異なるパラメータ付きのURLで表示されることがあります。例えば、”http://example.com/page?utm_source=google” と “http://example.com/page?utm_source=facebook” のように、マーケティングの追跡用パラメータが付いている場合です。これにより、検索エンジンは異なるURLとして認識し、評価が分散する可能性があります。
SSL対応と非SSL対応のURLが存在する場合
SSL対応(https)と非SSL対応(http)のURLが同じコンテンツを指している場合、”http://example.com” と “https://example.com” の2つのURLが存在します。検索エンジンはこれらを別々のページとして扱う可能性があり、評価が分散します。URL正規化を行うことで、SSL対応のURLを優先し、検索エンジンに対して正しいURLを示すことができます。
モバイル端末用のURLが存在する場合
モバイル端末専用のURLが存在する場合、”http://m.example.com” と “http://example.com” のように、デスクトップ版とモバイル版で異なるURLが使われることがあります。この場合も、検索エンジンは別々のページとして認識し、評価が分散する可能性があります。URL正規化を行い、正規のURLを指定することで、SEO効果を統一し、モバイルユーザーとデスクトップユーザーの両方に対して一貫したエクスペリエンスを提供できます。
URL正規化のやり方と確認方法を解説
では、実際にURLの正規化を行うには、どのような作業を実施する必要があるのでしょうか。この項目では、URL正規化の具体的な方法としてリダイレクトやcanonicalタグを使用した手法を紹介し、それぞれの手順やメリットを詳しく説明。さらに、正規化が正しく行われているかを確認するための方法も解説します。
リダイレクトを使用したやり方
リダイレクトを使用したURL正規化は、異なるURLを1つの正規URLに統一するための効果的な方法です。特に301リダイレクトを使用することで、旧URLから新URLへの永続的な転送が行われ、検索エンジンにも正しいURLを伝えることができます。以下に手順とメリットを詳しく解説します。
■手順
(1)htaccessファイルの編集(Apacheサーバーの場合)
・サイトのルートディレクトリにある.htaccessファイルを開きます。
・301リダイレクトのコードを追加します。例えば、Redirect 301 /old-page http://example.com/new-pageのように記述します。
・ファイルを保存し、アップロードします。
(2)nginxサーバーの設定
・サーバーの設定ファイル(nginx.confなど)を開きます。
・サーバーブロック内にリダイレクトの設定を追加します。例:rewrite ^/old-page$ http://example.com/new-page permanent;
・設定ファイルを保存し、nginxを再起動します。
■メリット
複数のURLが同じコンテンツを指す場合、リダイレクトにより評価が分散するのを防ぎ、SEOの効果を集中させることができます。
301リダイレクトは、旧URLのSEO評価を新URLに引き継ぐため、検索エンジンのランキングが保持されやすくなります。また、ユーザーが古いリンクをクリックしても、自動的に新しいページにリダイレクトされるため、使いやすさ(ユーザビリティ)の向上が見込めるでしょう。
くわえて、URLの構造変更やサイトのリニューアル時に、古いURLを整理して新しい構造に統一することができ、管理がしやすくなります。
canonicalタグを使用したやり方
canonicalタグを使用したURL正規化は、検索エンジンに対して特定のURLを正規のURLとして指定する方法です。これにより、同じコンテンツが異なるURLで存在する場合でも、検索エンジンがどのURLを評価すべきかを理解できます。以下に、その手順とメリットを詳しく解説します。
■手順
・WEBページのHTMLコード内の<head>セクションにcanonicalタグを追加します。
例えば、<link rel=”canonical” href=”http://example.com/正規のURL” />の形式で記述します。これにより、検索エンジンは指定されたURLを正規のURLとして認識します。
・サイト内のすべてのページに対して、適切なcanonicalタグを設定します。
同じコンテンツが複数のURLでアクセス可能な場合は、それぞれ正規のURL指定をおこなうようにしてください。
■メリット
同じコンテンツが異なるURLで存在する場合、canonicalタグを使用することで評価が一つの正規URLに集中します。また、検索エンジンが重複コンテンツとして誤認識するのを防ぐことにくわえ、ユーザーが複数の異なるURLから同じコンテンツにアクセスする場合でも、一貫性のあるURLを提供できます。
URL正規化の確認方法
URL正規化が正しく行われているかを確認するには、いくつかの方法が存在します。
まず、Google Search Consoleを使用して、URL正規化が正しく機能しているかを確認する方法です。サイトの管理者ツールにログインし、「カバレッジ」レポートを確認します。ここで、正規URLとしてインデックスされているページと、重複ページがどのように処理されているかを確認できます。また、URLを検査できるツールを使用し、特定のページが正しいURLとしてインデックスされているかをチェックできます。
また、複数のオンラインツールも利用可能です。たとえば、Screaming Frog SEO SpiderやAhrefsなどのSEOツールを使用して、サイト全体のURL正規化の状況を分析できます。これらのツールは、重複コンテンツの検出やcanonicalタグのチェック、リダイレクトの確認など、包括的な分析を提供します。
最後に、手動でチェックする方法もあります。ブラウザで旧URLにアクセスし、新URLにリダイレクトされるかを確認します。さらに、canonicalタグが正しく設定されているかを直接HTMLコード内で確認することも重要です。
これらの方法を組み合わせて使用することで、URL正規化が正しく行われているかを確実に確認でき、SEO効果を最大限に引き出すことができます。
URL正規化の注意点
URL正規化は、SEO対策として重要ですが、誤った方法で実施すると逆効果になることがあります。この項目では、URL正規化を行う際に注意すべきポイントを解説します。
1.正規化するURLを間違えない
URL正規化を行う際には、正しいURLを指定することが不可欠です。誤ったURLを設定してしまうと、SEO効果が分散し、サイト全体の評価が低下する可能性があります。canonicalタグやリダイレクト設定を行う前に、正規URLが一貫して使用されていることを確認し、間違いを避けるようにしましょう。
2.robots.txtを使用しない
URL正規化にrobots.txtファイルを使用するのは避けるべきです。robots.txtは、検索エンジンのクローラーに特定のページへのアクセスを禁止するためのものであり、URL正規化のためのツールではありません。正規化にはcanonicalタグやリダイレクトを使用することで、適切に検索エンジンにURLを伝えることが重要です。
3.HTTPSからHTTPへのリダイレクトを使用しない
セキュリティの観点からも、HTTPSからHTTPへのリダイレクトは避けるべきです。HTTPSは、データの暗号化を提供し、ユーザーの信頼を得るために重要です。HTTPへのリダイレクトは、SEO評価の低下やユーザーの信頼喪失を引き起こす可能性があります。常にHTTPSを使用し、HTTPからHTTPSへのリダイレクトを設定することが推奨されます。
4.正規化の反映には時間がかかる
URL正規化の設定が検索エンジンに反映されるまでには時間がかかることがあります。検索エンジンのクローラーが新しい設定を認識し、インデックスを更新するまで、数週間から数ヶ月かかることもあります。結果を焦らずに待ち、定期的に状況をチェックすることが重要です。
5.リダイレクトとcanonicalタグを使い分ける
URL正規化にはリダイレクトとcanonicalタグを使い分けることが重要です。リダイレクトはユーザーと検索エンジンの両方にURL変更を通知するのに適しており、canonicalタグは同じコンテンツが複数のURLで存在する場合に使用します。状況に応じて適切な方法を選び、効果的にURL正規化を行いましょう。
まとめ
URL正規化は、WEBサイトのURLを統一して重複コンテンツを防ぐために重要です。検索エンジンが正しいURLを認識することで、SEO効果が向上し、サイトの評価が安定します。やり方や確認方法を理解し、正しい手順で実行するようにしましょう。また、正規化するURLを間違えないことや、注意点を守ることで、効果的なURL正規化が実現します。SEOの基礎として、ぜひこの知識を活用してください。
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